漫画

【ランド】閉ざされた村で生きる人々を描いたディストピア群像劇

ふしまる

はじめに

『ランド』(山下和美/2014年〜2021年)は、閉鎖的な村を舞台に、人々の生活と価値観、そして「常識」が覆される世界を描いたディストピア群像劇です。
作者は『天才柳沢教授の生活』などで知られる山下和美。本作では従来の作風から大きく転換し、読者を不穏な空気へと引き込む重厚な物語を展開しています。

作品の概要

物語の舞台は、外の世界と完全に隔絶された小さな村。
村人たちは「規律」と「伝統」を絶対視し、厳格な掟のもとで生活しています。
外の世界の存在は知らされず、村での暮らしがすべて。
その中で、少女アンとその周囲の人々を通して、村の異様な仕組みとそこに潜む矛盾が徐々に浮かび上がっていきます。

読みどころ

  • 徹底した閉鎖社会の描写
    外界を知らない村人たちの価値観や行動がリアルに描かれ、読者に強い違和感と興味を与えます。
  • 「当たり前」を疑わせる物語
    自由や個人の権利を奪われた生活を通して、現代社会における常識やルールの意味を問いかけてきます。
  • 群像劇としての厚み
    村人それぞれの視点から描かれるドラマが積み重なり、ストーリーに奥行きを与えています。
  • サスペンス要素の強さ
    少しずつ明かされていく村の秘密やシステムが、緊張感を高め続けます。

こんな人におすすめ

  • ディストピアや閉鎖社会を描いた作品が好きな方
  • 社会や組織のあり方を考えさせられる物語に惹かれる方
  • 群像劇の複雑な人間関係を楽しみたい方
  • サスペンスと社会派ドラマの両方を求める読者

まとめ

『ランド』は、閉ざされた村を舞台に「人が人を縛る仕組み」を徹底的に描いた衝撃作です。
静かに進行する物語の中で明らかになる真実は、読者に強い余韻を残します。
エンタメとしての面白さと同時に、「社会とは何か」を深く考えさせられる稀有な漫画。
普段の漫画とは一味違う作品を求めている方に強くおすすめします。

ABOUT ME
ふしまる
ふしまる
この記事を書いてる人
・ゲームが好き(RPG、アクションなど) ・漫画が好き(なんでも食べる雑食) ポップカルチャーで現実逃避をするのが趣味のような人間です。 会社と家の往復が主な活動範囲…
記事URLをコピーしました