漫画

【BEASTARS】肉食獣と草食獣の共存を描く異色の青春ドラマ

ふしまる

はじめに

『BEASTARS』(板垣巴留/2016年〜2020年)は、動物たちが人間のように暮らす世界を舞台にした青春群像劇です。
単なる学園ドラマに留まらず、「捕食と共存」という根源的なテーマを掘り下げた奥深い物語で、男性読者にも強く響く作品となっています。

作品の概要

物語の舞台は、肉食獣と草食獣が共に暮らす全寮制のチェリートン学園。
ある日、学園内でアルパカの生徒が肉食獣に殺される事件が発生。
その中で注目されるのが、内気で心優しい肉食獣のオオカミ・レゴシです。
彼は「肉食獣としての本能」と「理性との葛藤」に揺れながら、草食獣のウサギ・ハルと出会い、心を通わせていきます。

読みどころ

  • 動物を擬人化した世界観の妙
    見た目は動物、でも考え方や行動は人間らしい。だからこそ「差別」「偏見」「共存」といったテーマがより強く読者に迫ってきます。
  • レゴシのキャラクター性
    巨体のオオカミでありながら繊細で優しい心を持つ主人公。そのギャップが共感と魅力を生みます。
  • 学園青春要素とサスペンス要素の融合
    恋愛や友情といった学園物らしいドラマに加えて、捕食者が誰なのかというサスペンス的展開も読者を引き込みます。
  • 人間社会への比喩
    肉食獣と草食獣の関係性は、人種や立場の違いを抱える人間社会の縮図とも言え、考えさせられる部分が多いです。

こんな人におすすめ

  • 深みのある世界観に浸りたい方
  • 社会問題を寓話的に描いた作品に惹かれる方
  • サスペンス要素と恋愛要素の両方を楽しみたい方
  • 青春ドラマと哲学的テーマの両方を味わいたい読者

まとめ

『BEASTARS』は、一見すると動物を擬人化したファンタジーですが、その中身は非常に人間的でリアルな物語です。
「強さとは何か」「共存とはどういうことか」を問いかけながらも、キャラクターたちの青春や葛藤を熱く描ききった傑作。
読後に深く考えさせられる一方で、エンタメとしても十分楽しめる稀有な作品です。

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・ゲームが好き(RPG、アクションなど) ・漫画が好き(なんでも食べる雑食) ポップカルチャーで現実逃避をするのが趣味のような人間です。 会社と家の往復が主な活動範囲…
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