【魔法使いの嫁】孤独な少女と異形の魔法使いが紡ぐ異世界ファンタジー
ふしまる
ふしまるブログ
『BEASTARS』(板垣巴留/2016年〜2020年)は、動物たちが人間のように暮らす世界を舞台にした青春群像劇です。
単なる学園ドラマに留まらず、「捕食と共存」という根源的なテーマを掘り下げた奥深い物語で、男性読者にも強く響く作品となっています。
物語の舞台は、肉食獣と草食獣が共に暮らす全寮制のチェリートン学園。
ある日、学園内でアルパカの生徒が肉食獣に殺される事件が発生。
その中で注目されるのが、内気で心優しい肉食獣のオオカミ・レゴシです。
彼は「肉食獣としての本能」と「理性との葛藤」に揺れながら、草食獣のウサギ・ハルと出会い、心を通わせていきます。
『BEASTARS』は、一見すると動物を擬人化したファンタジーですが、その中身は非常に人間的でリアルな物語です。
「強さとは何か」「共存とはどういうことか」を問いかけながらも、キャラクターたちの青春や葛藤を熱く描ききった傑作。
読後に深く考えさせられる一方で、エンタメとしても十分楽しめる稀有な作品です。